もう去年のことになるのでしょうか,平成29年12月6日に,受信設備を設置した人はNHKと受信契約を締結しなければならないとする規定,放送法64条1項を合憲とする最高裁判決が出ました。
同判決により,受信設備を設置している人は,NHKから裁判をされれば,受信契約を締結しなければならなくなり,そして,同契約の締結は,判決日からではなく,受信設備を設置した日からとなるため,受信設備を設置した日からの受信料を支払わなければならないことになりました。
そのため,受信設備を設置したのが10年前,20年前なら,10年分,20年分の受信料を請求される恐れが出てきたのです。
同判決によって,NHKが,過去分を含めて,高額な受信料を積極的に請求してくるのではないかと危惧されております。確かに,受信料を払って下さい,支払わないなら,裁判をすることもありますよといわれれば,今までと違い,支払に応じる人も出てくるでしょうから,その可能性は低くないでしょう。
もっとも,本当に10年分,20年分の受信料を支払わなければならないのでしょうか?
答えはノーです。
NHKの受信料の消滅時効期間は5年ですから,5年を超えて受信料を求められた場合には,消滅時効を援用することで,支払わなければならない受信料を減額させることができます。
なお,NHKは,消滅時効期間が5年であることは当然に知っていますが,同期間を超えて,設置日からの受信料を請求してきます。
ですから,10年前,20年前といった,随分前の受信料の支払いを請求されたときには,慌てないで,消滅時効を援用できないか,弁護士に相談して下さい。
突然,ブログでNHKの受信料を話題にしたのは,弊事務所においても,まさにNHKから高額な受信料の支払いを求められ,これを時効援用で減額したという事案があったので,一言書き留めておきたいなと思ったからです。